透明



通りすがりの風が
君の腕を引いて
窓をたたいた木の葉が
気付かせても

もう遅い


深い秋の色に
手を埋めても
見つけたのは歌わなくなった小鳥

君はいない


探し始めたらきりがないよ
世界中の落ち葉を散らせても
息が切れるだけ
落葉が流れ去って
むき出しにされてくしゃみをする足跡の中に
君へと繋がる季節は何処にもない


やがて全てが白に埋もれても
黒く汚れていっても
君に辿り着けない


君はあの日
硝子の靴を履いていたから
何よりも透き通っていたから


何よりも儚かったから

君に恋をしてしまったんだ