無題 09

その音を聞いたとき
僕は僕の中で
何かが崩れ去っていったのを
確かに感じた

夜の風に吹き飛ばされそうになるほど
胸の中は恐ろしさと悲しみでいっぱいだった

たった一本の白い枝さえあれば
この暗く蒼い海をこいでいけそうだ
そうそれは死にたがって赤い血を流す
君のその腕でもいい
命を絶つくらいなら
僕を独り あの島まで連れていって欲しい
そこで君は眠り姫になればいい

2008.11.28