回路



こんなものが優しさなら こんなものが優しさなら

僕の誰かへの罵りの言葉は 尽きることなく溢れ出して
そのくせ喉は渇いていた

やましさを抱えたまま 君と夜を比べていた
ぽつりぽつり 浴槽に張られた水の上に
落ちた雫は 色を残さない

どうしてだろう どうしてだろう

そんなこと考えても 前に進めることはなく
蛍光灯に集まるただの虫

生きていては駄目なんだと 握り締めた刃が
ぐらりぐらり 僕の弱さを証明して
鈍く光って 僕はただ泣いた


2007.3.27