自転車の上 横断歩道



雨がアスファルトをぬらした匂い

懐かしくて振り返ろうとしたら

真夜中の突然の明りが

僕の思いをさえぎった

「そういえば夢路の途中だった」

呟いて作られたぬくもりの中に帰ってゆく

「雨の日は嫌いだよ

 明日どうやってキミに逢いにゆこうか

 少しだけ迷ってしまう自分が嫌なんだ」

笑いを貼り付けて疑われたことはない

君への思いに気付かれないように生きてゆくんだ



アスファルトをぬらす雨の匂い

僕は生きた そして生きてゆく

君はどうなのだろうか



2007.02.23 晴れ,教室にて